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三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会

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2008年 01月 20日

第1回口頭弁論 意見陳述書

第1回口頭弁論 意見陳述書

ご審理いただくにあたり、住民の立場から意見を述べさせていただきます。

1. 合併協議の真っ最中であった2003年、三郷ベジタブルの大規模なトマト工場が開業し話題になりました。ところが、2005年10月、三郷ベジタブルの2期目の決算が確定しないうちに三郷村は合併し安曇野市となりました。三郷ベジタブルの経営が危うくなったとしても、安曇野市に合併してしまえば財政的な痛手は負わなくてすむからと、大急ぎでバタバタ進めたとしか思えないやり方でした。

2. トマト栽培施設は、旧三郷村が国庫補助事業として20億円かけて建設しました。一 般会計の予算規模が60億円程度の村で、20億円とは桁外れに大きい事業であったはずですが、その半分の10億円は国が出してくれる。トマトはカゴメが10年間全量買い取るから、確実に収益が上がる。毎年7000万円の施設使用料が村に入る。三郷村が負担する10億円も、国からの交付税措置などあるので実際の負担は6億8000万円ほど。利息を入れて7億円。毎年7000万円の使用料が入れば10年で元が取れる。など、いい話ばかりの見通しの甘い杜撰な計画はどんどん進んでしまいました。

3. 行政関係者の話によれば、当時、旧豊科町、旧穂高町にもこのトマト栽培事業の話があったが、とても受け入れられる内容ではなく断った、という経過があります。それをなぜ旧三郷村は、こうも簡単に事業化に踏み切ったのか、大きな疑問であり、旧三郷村行政の責任を追及せずにはいられません。加えて、当時村長であり、三郷ベジタブルの会長であった者が、そのまま安曇野市の副市長となったうえに会長職にも留まり、行政理事者と経営者が同一者という異常な状態にあることについては、現安曇野市の責任も追及されなければなりません。

4. 当初計画が慎重に検討されたとは、到底言いがたいものであり、三郷ベジタブルは始めから借金体質でスタートしています。会社は設立したものの、トマトが出荷できるまでの運転資金がなく、三郷ベジタブルはあづみ農協と三郷村との間でさっそく2億5000万円の損失補償契約をしました。現在5期目の経営は、累積赤字4億円以上で大幅な債務超過、長期借り入れを一時借り入れで返済するような危うい経営を続けています。企業として当然支払うべき施設使用料7000万円の支払いを猶予してもらってもなお赤字の経営、今後もまったく使用料が支払えない経営状況であり、このまま漫然とした経営を続けていくならば、市に生ずる損害は大きくなるばかりです。

5. そもそも年間7000万円もの施設使用料を契約の当初から請求もせず、また、支払日も決めないで今日まで4年間も経過させてきたなどということは、行政の重大な怠慢であり、自治体や住民に損害を与える行為です。

6. また、損失補償契約の違法性についても、損失補償は「保証」ではないという解釈のもと、行政、金融機関の両者にとりメリットのある方法として、安易に使われてきました。そしてそのことが、第3セクターの事業性に対するチェック機能を低下させる要因ともなっています。結局、企業が借金の返済ができなくなれば、その借金の負担は行政に押し付けられ、行政が責任を取らされ、支払わなければなります。それは、ほかならぬ私たちの税金です。

7. 本件の三郷ベジタブルにおいても、まったく同様の経過をたどっています。旧三郷村・現安曇野市と㈱三郷ベジタブルおよび金融機関が結んだ2億5,000万円もの損失補償契約では、現在ほぼ満額に近い債務がありますが、これは、三郷ベジタブルの現状から判断すれば、市にとってはすでに損害が生じているのと同じことです。「補償」と「保証」は違う、といった文字面の判断で終わらせないでいただきたいのです。企業の負債の尻拭いを私たちの税金で賄うなど、とても認められるものではありません。

8. 私たちの税金が、このような杜撰な放漫経営をしている第三セクターのために、これからも無駄に使われ続けることは許し難いことです。貴裁判所が、公正で高い識見に基づく審理をし、適正な判断を下していただくことを、心からお願いいたします。

2008年1月18日 原告 藤原 浩  小林純子

by misato_tomato | 2008-01-20 12:20 | 住民訴訟


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