三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会

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カテゴリ:住民訴訟( 28 )


2012年 04月 02日

2011年 10月 28日 三セク安曇野菜園への損失補償について最高裁判決

~高裁「無効」判決を破棄、自治体の運用を追認~

 三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会・横地泰英さんが、10月28日朝刊各紙まとめをもとにレポートしました。ご覧ください。

三セク三郷トマト栽培施設・安曇野菜園への損失補償
  最高裁は、高裁の「無効」判決を破棄/自治体の運用を追認
             原告・小林市議「後ろ向き、時代に逆行」と批判


 安曇野市出資の第三セクター安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)をめぐり市が金融機関と結んだ損失補償契約の違法性が争われた上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は2011年10月27日、「財政援助制限法に違反し契約は無効」としていた東京高裁判決を破棄、原告・小林純子市議の請求を棄却した一審の地裁判決も取り消し、訴えを却下した。判決後小林市議は「三セクへの財政支援は反省すべきだという全国的な流れに対し、後ろ向きな判決だ」と語った。

 安曇野菜園は旧三郷村が荒廃遊休農地の解消、雇用創出などを目的に2003年設立。トマトの生産・販売不振で赤字が続き、今年4月から指定管理者になった農業生産法人に経営や資産を売却し、3金融機関の借入金を返済し、現在清算手続き中だ。このため損失補償契約に基づいて市が支出する可能性はなくなっている。最高裁は「公金の支出差し止め」という原告訴えは、現時点で判決を求める意味が存在せず、「不適法」になったと判断。この訴えに基づいた昨年8月の高裁判決を破棄した。

 小法廷は「損失補償と債務保証は地方自治法などで区別されている」として債務保証を禁じた財政援助制限法の規定を損失補償に類推適用できないと指摘。安曇野市の契約を「違法で無効」とした高裁判決を「相当ではない」と判断。補償契約に問題あるかどうかは「自治体による裁量権の乱用」の有無で判断すべきだとした。自治体が金融機関と損失補償契約を結ぶ例は多く、判決は現行の運用を追認した形だ。

 宮川光治裁判官は補足意見で「(債務保証を禁じた)制限法3条はGHQの指令で緊急的に作られたが、その後戸別の立法で徐々に禁止が解除されてきており、同条の存在意義は薄れてきている」と指摘した。これまた高裁判決の前から存在する考え方で、最高裁判決は「高裁以前」へのタイムスリップした印象だ。
 2008年1月18日、長野地裁で第1回口頭弁論が開かれてから3年9か月。東京高裁での原告逆転勝訴をはさみ、今回最高裁判決で(残念ながら)住民側敗訴が確定した。

《なお続く安曇野市の起債償還》
 判決後小林市議は「後ろ向き判決」と話した後、「二審で契約の違法性が認められ、国や自治体、金融機関に『いい加減なことはできない』と周知させるきっかけになった。むだな訴訟ではなかった」と振り返った。
 そして「市はまだトマト栽培施設に充てた起債の返済を続けている。市に支払われるはずだった施設使用料3億円余も債権放棄している。これらは市民にとって大きな損害だ。裁判は終わっても住民の目で責任を今後も追及して行く」と話す。
 宮沢宗弘市長は「市の主張が認められたことでひとまず安心している」とのコメントを出した。

 約20億円にも及んだ税金〝むだ遣い〟の経営責任はいっこうに明らかになっていない。責任問題を明らかにする第三者委員会設置のための補正予算が付いたということなので、早急に進めてもらいたい。

 県市町村課によると、県内市町村で出資比率が25%以上の第三セクターは、昨年4月時点で145法人。このうち自治体から損失補償を受けているのは15法人、補償残高は42億2千万円。
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by misato_tomato | 2012-04-02 20:33 | 住民訴訟
2012年 04月 02日

2011年 10月 27日 最高裁は上告審として受理しない

安曇野菜園三セク損失補償裁判の判決言渡しがありました。
最高裁判所(東京)とんぼ返りでクタクタ、もう寝ようと思いましたが
夕方のTVニュースで「住民側敗訴」らしき報道があったというので、
それは違いますということで、とりあえずそこのところだけ書いておきます。
(詳しくは後日に)


平成22年(行ヒ)第498号決定によると
東京高等裁判所が平成22年8月30日に言い渡した判決に対し、
申立人(安曇野市長)から上告受理の申立てがあったが、
申立ての理由によれば、
本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
よって、当裁判所は、裁判官全員一致の意見で、次のとおり決定する。

主文 本件を上告審として受理しない。
    申立費用は申立人の負担とする。


「安曇野市長の上告の申し立ては受け付けません」ということです。



そしてもうひとつは
平成22年(行ツ)第463号判決によると

主文 原判決中被上告人の請求を認容した部分を破棄する。
    前項の部分につき、第1審判決を取り消し、被上告人の訴えを却下する。
    その余の本件上告を棄却する。
    訴訟の総費用は被上告人の負担とする。


どういう意味なのかわかりにくいですが、これは要するに、
「安曇野菜園は損失補償契約による借金を完済したので、訴えの利益がなくなった。
だから、裁判は最初からなかったことにします。」というもの。


「借金を完済した」というのですが、
なぜ借金が完済できたかといえば、安曇野市が債権放棄したからです。
債権放棄した分は市民の負担になっているのですから、
「訴えの利益がなくなった」なんて、認められません。

三権分立とは名ばかりか!?
上告を受理しないとしながら、わざわざ補足意見を付けて、
自治体や金融機関、国の方針に気を使い、
最高裁としての勤めを放棄したような判決だと思いました。
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by misato_tomato | 2012-04-02 20:29 | 住民訴訟
2012年 04月 02日

11月 27日 30人の弁護団

安曇野市は、
3金融機関と市が結んだ損失補償契約を違法無効とする東京高裁判決を不服として
最高裁に上告する申立て案を開会中の9月市議会に提案。
市議会は賛成多数で可決しました。

上告の申し立てがいつ受理されるかはまだわかりませんが、
上告審の裁判に向けて準備は怠りなくしておかなければなりません。

弁護団を結成しましょう、協力したいという申し出がありましたが、
30人もの弁護士さんが手弁当で結集してくださるとは思いませんでした。
ほんとうに有難いことです。

一方、安曇野市は弁護士を5人に増員するようです。
市の弁護士さんには「薄謝」というわけにはいかないでしょう。
大義のない上告のために、市の税金から裁判費用の支出が増えると思うと、
なんだかやりきれない気持ちになります。

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by misato_tomato | 2012-04-02 19:26 | 住民訴訟
2012年 04月 02日

11月 25日 債権放棄するなら上告の取り下げを

トマト栽培三セク安曇野菜園をめぐる住民訴訟
9月議会で宮沢市長は
「高裁判決がこのまま確定すれば、安曇野菜園は倒産に追い込まれかねない。最高裁の判断を仰ぎたい」と述べ、上告しました。

しかし、上告したとて「倒産に追い込まれかねない」状況に変わりはありません。
先日発表になった第7期決算は待望の黒字決算でしたが、
緊急雇用の補助金を計算に入れたうえでの数字ですから、実質はやっぱり赤字。
それに、キャッシュフローは黒字とは別の話で、
現金が手元にない状況は変わりありません。
つまり、
損失補償で借りている借金の返済ができない・・・
未払金はなかなか減らない・・・
資金ショートのおそれも・・・


本日の全員協議会では、いよいよ「債権放棄」の話が出てきました。
宮沢市長の説明は、まったくスジの通らないものでした。

債権放棄について端的に言えば、
三セク安曇野菜園は経営に失敗したので、
施設使用料の未払金3億円余は、市として債権放棄せざるを得ないということです。
わかりやすく言えば、
菜園が滞納している3億円余は免除するしかないということ。


宮沢市長は議会や市民説明会で
「旧三郷村の事業計画は甘かった、トマト栽培事業は失敗だった」と認めています。

にもかかわらず、市長は最高裁に上告しました。
上告したということは、
損失補償によって事業継続している安曇野菜園については、
公益性があるから安曇野市の損失補償契約は適法である。
と主張することにほかなりません。

市民に向かっては「失敗した」「債権放棄もやむをえない」と言いながら、
裁判所に向かっては「公益性があるから損失補償契約は適法」
つまり「失敗した」わけではないと主張しているのです。
これは矛盾していませんか。


失敗を認めたその次には、行政の責任を明確にしなければなりません。
その責任の取り方の一つとしては、高裁判決を受け入れることです。
こんな事業に損失補償をした自治体(旧三郷村~安曇野市)に責任がないなんて、
市民のいったいだれが納得するでしょうか。

市民に「債権放棄」をお願いするなら、
最高裁への上告を取り下げてからにしなければスジが通らないというものです。

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by misato_tomato | 2012-04-02 19:21 | 住民訴訟
2012年 04月 02日

2010年 9月 18日 特別送達

東京高裁より特別送達の郵便が届きました。

特別送達(とくべつそうたつ)は、日本において、民事訴訟法に規定する方法により裁判所や公証役場から訴訟関係人などに送達すべき書類を送達し、その送達の事実を証明する、郵便の特殊取扱。特送(とくそう)と略されることもある。
(ウィキペディアより)

1通は安曇野市の上告受理申し立て通知書

もう1通は上告提起通知書で、
あづみ農業協同組合がこの裁判に補助参加するというもの。
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損失補償契約は違法、無効として
金融機関への支払い差し止めの判決が出たので、
差し止められては困るということで補助参加を決めたのでしょう。


以上の二つの通知書は、
高等裁判所が形式的な審査を行い、その結果、特に不備がないと判断した場合に
当事者双方に対して送付されるものだということです。

最高裁判所へ送られるのは、まだ先になりそうです。
最高裁で上告が受理されるか、不受理となるのかは、さらに先のこと・・・

その間に、わたしたちもしっかりと準備をしなくては。
全国から支援の声が続々と・・・、大いに励まされています。
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by misato_tomato | 2012-04-02 16:58 | 住民訴訟
2010年 12月 19日

自由法曹団通信 旬刊 1356号より

住民訴訟でずっとお世話になっている中島嘉尚弁護士から
自由法曹団通信1356号が届きました。

東京高裁での控訴審判決についての報告です。
長文ですが、ぜひ読んでください。

自由法曹団通信 旬刊 1356号(2010年9月11日)

税金の無駄遣いをやめさせよう!
第三セクターにかかる債務の損失補償契約にもとづく
自治体の長に対する支払差止を認容する逆転勝訴判決(東京高裁)
長野県支部  中島嘉尚

一 東京高等裁判所第22民事部は、2010(平成22)年8月20日、第三セクターの債務につき損失補償契約をなした自治体の首長に対し、金融機関への補償債務の支払いを差し止める判決をした(裁判長は加藤新太郎裁判官である)。

二 事業の概要は次のとおりである。
長野県安曇野市は、同市所在のM社(トマト栽培を主とする)が、A、B、C各金融機関に対し、負担する債務につき、A金融機関2億5000万円、B金融機関5250万円、C金融機関4875万円の範囲内で各金融機関との間で損失補償契約を締結した。そこでこの損失補償契約が無効であるとして住民監査手続きを経て(住民監査手続では棄却)地方自治法にもとづき公費出費差止めを求めて提訴がなされた(平成19年11月21日)。

三 論点は以下のとおりである。
①監査請求期間を徒過した訴えか。
②本件各損失補償契約は財政援助制限法第二条に違反する無効のものであるか。

四 東京高裁の判断
(1)前記①すなわち監査請求期間徒過の有無の点については第一審の判決では、損失補償にもとづく支出がなされていないので期間は進行しないとの理由により適法と判断していたところ、本件控訴審判決においても同様の理由により適法と判断した。

(2)前記②財政援助制限法に関する東京高裁の判断は次のとおりである。
①財政援助制限法三条は、地方公共団体等の財政の健全化のため、地方公共団体等が、会社その他の法人の債務を保証して不確定な債務を負うことを防止する規定である。

②同法で禁止する保証契約とは、主債務との間に付従性補充性があり、保証人は、主債務者と同一の責任を負う性質を有する契約である。

③損失補償契約は主債務との間に付従性補充性はない。また、損失補償をしたからといって、当然に主債務者に対し求償したり債権者に代位できるものではない。この点において損失補償契約は保証債務とは差異があるということはできる。

④しかし実際には、損失補償契約についても、保証債務と同様の機能を果たすことが多い。付従性補充性がなく、当然の求債や代位もできないのだから、保証債務よりかえって責任が過重になる。それにもかかわらず財政援助制限法三条の規制が及ばないとすれば、同条の趣旨が没却される。したがって法の趣旨を没却しない特段の事情がない限り同条の類推適用がなされ規制が及ぶ。

⑤次に財政援助制限法三条の趣旨を没却しない特段の事情としては、損失補償契約を締結する公益上の必要性が高いことと、相手方の金融機関が公益の必要性に協力するために損失補償契約に至った場合には、特段の事情が認められるとしている。

⑥本件M社に関する各金融機関との損失補償契約は明らかに保証契約と同様の機能を果たすものであり、財政援助制限法三条の趣旨に反し無効である上、公益性などの特段の事情も認められない。したがって本件損失補償契約に基づく支出の差止めの請求は理由がある、とした。

⑦取引の相手方たる金融機関側との取引の安全性については、財政制限法三条の趣旨を実効性あらしめるためには、無効もやむを得ないとする。しかし損失補償契約を締結する公共の必要性が高く、金融機関も公益上の必要性に協力し、さらに契約当時の諸般の事情から当該金融機関において違法性の認識がないと認められる場合にあって、当該地方公共団体が損失補償契約の無効を主張することが社会通念上著しく妥当性を欠くと評価される場合は、地方自治体は信義則上当該金融機関に対し、無効を主張できないと解される余地がある。

⑧本件判決と既判力との関係について
金融機関が自治体を相手に信義則上無効を主張し得ない事情を主張して訴訟提起をすることは想定できる。この場合、訴訟提起は差止認容判決の既判力によって妨げられない。

⑨前記訴訟によって信義則上の事情が認められ、請求が認容されたとしても、自治体は差止め判決の拘束力により任意の履行は許されず、金融機関の強制執行の方法によるべきである。

五 このように本件判決は、損失補償契約は財政援助制限法第三条により原則として無効であり、例外的に公益性が認められる場合など法律の趣旨を没却しない範囲で有効となる場合があると明言したこと、その結果本件については差止めが認容されたこと、但し、判決の既判力は金融機関の契約に基づく履行請求の訴訟提起には及ばないこと、自治体が無効を主張し得ない信義則上の事情がある場合は認容される余地があること、しかしそれでも自治体への差止めの判決の拘束力はあるので、自治体が自ら任意に履行することはできず、強制執行の方法によるべきであることを判示したものである。

六 本件のように財政援助制限法違反を理由に、主文をもつて差止めを認容した判決はあまりないのではないかと思う。また本件判決は、第三セクターに対する自治体の安易な損失補償契約に制限をかけるものである。ともすれば無責任な損失補償契約がまかり通っている現状に対し、警鐘を鳴らしたものといえる。

 多くの自治体では、合併前の一自治体の損失補償契約を合併後の首長が背負い込んでいる場合や、前首長の無責任な損失補償契約に対し、これを批判して選ばれた新首長が実際には前首長のした損失補償契約の履行を求められ、その対処に苦慮困惑する場面が多発しているのではないかと思う。この判決はある意味で解決の指針を示したものともいえる。本件も合併前の一自治体の首長が行った損失補償契約の無効を合併後の首長に対して主張したケースである。

七 本件訴訟は原告(控訴人)一名、弁護士一名という(少数精鋭?)体制(ただし住民は応援してくれた)で闘ったものであるが、得た成果は大きいのではないかと思っている。なお、既成事実の進行を避けるため滋賀県の吉原稔先生の「省エネ裁判」を読み、なるほどと思い、本件の場合にも証拠としての資料は多く提出したが、当方から証人尋間は不要として、証人申請は行わなかったので、証人調べはなされていない。

 また高裁における訴訟の進行は大変に緊張感に満ちたものであり、その場で裁判長が疑問点を訊き、その場で答えを求められるというもので、一回ごとの弁論手続を大事にした(まさに口頭主義)。

八 本件は損失補償問題とは別の請求もあったが、その部分は結論的には却下となった。ここでは省略させていただく(ただし、その問題に対しては理由中で自治体に反省を求めている)。

九 追伸 本件については、新聞報道等によると、9月8日の市議会において上告受理申立手続をとることに議決したとのことです。首長は「多くの自治体に影響を及ぼす判決」と説明したそうです。おそらく全国の自治体の意向をも体したものと推定されます。そうなると当方も「そうですか」というわけにはゆきません。ある意味では総力戦の覚悟をしなければなりません。全国の団員の皆様の御意見と御協力、御支援をお願いするものです。
(自由法曹団通信 旬刊 1356号 2010年9月11日)
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by misato_tomato | 2010-12-19 13:04 | 住民訴訟
2010年 09月 15日

8月30日 市民の会が東京高裁判決の報告会

市民の会が東京高裁判決の報告会
~安曇野市に上告せぬよう求める/「三郷ベジ」住民訴訟~


《「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんのレポート》

 安曇野市のトマト栽培第3セクター安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)をめぐる住民訴訟について、東京高裁判決の報告会が6日夜、安曇野市であった。控訴人・小林純子市議、代理人の中島嘉尚弁護士らが、3金融機関と市が結んだ損失補償契約を無効とする高裁判決の意義と、3年間にわたる訴訟の取り組みを説明。安曇野市が高裁判決に従い、上告せぬよう求め、市民がその意思表示することを呼びかけた。

 中島弁護士は「自治体と金融機関の補償契約が財政援助制限法3条に違反し無効であることを、これほど明確にした判決は珍しい。裁判長が『正面から判断した』とわざわざコメントしたのも判決への並々ならぬ熱意を物語る。市は判決を尊重し、従ってほしい。損失補償契約に支払いをやめて、金融機関が提訴してきたら、争えばよい。トマト事業はもともと旧三郷村村長が始め、そのあとの合併で安曇野市になった。三郷村以外の自治体には『なんで私たちが背負わなければいけないの』という住民感情がある。宮沢市長は、払うなと言われるなら、払わなければよい」とのべた。

 高裁判決は、損失補償契約が営む機能は、保証契約と実質同じだから、財政援助制限法3条が適用されるという住民側主張を認めた。法律に反せば無効となる。中島弁護士は「訓示規定だから無効ではないという主張に対して、効力規定だとしている。ただ、すべて無効かというと、有効な契約もある。公益性のある事業の損失補償で、銀行も公益性を認めて融資した場合だ。たとえば、鉄道事業を3セクにし、自治体が地域の足を守るため損失補償契約をする場合などは有効になりうる。では、安曇野菜園は公共性があるか。判決は公共性を認めていない。損失補償契約は無効、違法な支払いはできない。従って我々の支払い差し止め請求は理由がある」と分かりやすく説明した。

 判決は、金融機関へも反省を迫るものだ。だが判決は、金融機関が支払い請求訴訟を起こすことについてまで、既判力は及ばないとしている。中島弁護士は「請求が認められるのは、信義則に反する場合であり、信義則の中身とは、公共性についての銀行の理解だ。財政援助制限法で禁止されていることを知っていたか。融資する側の責任も問われる。請求は認められる場合も認められない場合もあるだろう。自治体は、任意に払ってはいけない。強制執行を受けてから払いなさいということだ」と解説した。

 これに先立ち、控訴人の小林純子市議が報告会冒頭であいさつし、住民監査請求から1審提訴、控訴にいたる4年間の流れ、経緯を説明。市民の支援に感謝した。「市議になって一番大事に考えていたのは、どう働いたら、何をしたら市民のためになるか。菜園も、どうしたら市民のためになるか考えました。でも、このごろになって気付きました。市民のためなんてカッコイイものではなくて、自分のためだったんじゃないか。まるで捨てるように税金が無駄遣いされ、まちの暮らしが停滞するのを見過ごしてしまう、そんな自分が嫌だから、なんとかしたいから頑張ったんだと。自分のためが市民のために役立つならうれしい。そう思います」と心情を語った。

 諌山憲俊・市民の会代表世話人は、住民訴訟への支援を感謝。これまで計86万円のカンパを受け、訴訟費用すべてをカンパでまかなえたことを報告。「浄財だけでやりとおし、いい前例をつくれた。全国で3セクは行き詰まっている。どんどん裁判になるだろう。貴重な判決になる」と述べた。

 報告会は穂高の安曇野市中央図書館で急きょ開かれた。約30人が参加。安曇野市議も8人が参加し、質疑にも加わった。
(報告・横地泰英)   
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by misato_tomato | 2010-09-15 21:42 | 住民訴訟
2010年 09月 15日

8月30日 控訴審は原告の一部逆転勝訴

「三郷ベジ」住民訴訟控訴審は原告の一部逆転勝訴
~東京高裁 一審判決を変更、損失補償は「無効」と認定~


 三郷ベジタブル関連住民訴訟の判決言い渡しは、昨日8月30日(月)13時10分、東京高裁にて行われました。安曇野市議会9月定例会の初日と重なってしまったので、代理人(弁護士)と支援者の方々に聞いてきてもらおうと思っていたのですが、中島弁護士の都合つかず(重要な裁判を控え、1分で終わる判決言い渡しのために、東京高裁まで行く余裕はなさそう)。
 代理人が行けないならということは、原告本人が出廷しなければ判決文がもらえないということ。つまり、私が行かなくてはどうにもならない。しかたがないので、議長宛て本会議の欠席届を提出して、東京高裁まで行ってきました。

 聞くところによると、本会議冒頭で議長が「小林純子議員が、所用のため欠席する旨の届け出が・・・」と言ったとたん、場内がザワザワっとして、どこからか「(そんなことで欠席するなんて)オカシイヨ」という声もあったとか。「議員が市を訴えるとはなにごとだ」という意識の議員が多いようなので、さもありなんと思いました。
 以下、控訴審判決言い渡しの報告です。「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんがレポートしました。

「三郷ベジ」住民訴訟/安曇野市の損失補償は違法
           東京高裁 一審判決を変更、「無効」と認定

 2010年8月30日(月)13:10開廷 13:20閉廷 
 東京高裁:加藤新太郎裁判長
 控訴人側:(原告)小林純子 傍聴人2名
 被控訴人:(安曇野市)側:傍聴人2名(市職員)、メディア 2社
   
 安曇野市のトマト栽培第3セクター安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)をめぐる住民訴訟は10年8月30日、東京高裁で判決があった。同社に融資した3金融機関と市が結んだ損失補償契約を無効とする小林純子市議の訴えについて、加藤新太郎裁判長は「財政援助制限法に違反し、無効」と認定。契約に基ずく補償支払いをしないよう市に命じた。この部分について一審・長野地裁判決を変更、住民側請求を認めた。トマト栽培施設の使用料徴収を猶予などを違法とする部分については、「施設使用は指定管理者として行われたもの」として、一審同様に却下した。

 安曇野市は、3金融機関が損失をこうむった場合、計3億5000万円(契約時)まで元本を補償する契約を結んでいる。安曇野菜園はこの損失補償契約に基づき、今年6月には計3000万円を借入、さらに来期にも4000万円を借入ることを予定している。経営不振が続く安曇野菜園はやりくりが苦しく、給与支払いさえままならぬ状況。損失補償契約による支出を差し止めた今回判決で、市は対応に苦慮することが予測される。判決は「市は各金融機関へ任意の履行をすることは許されず、金融機関による強制執行の方法によるべきもの」と、行政の対応がいい加減で済まされぬことを、厳しく求めている。

 財政援助制限法は、自治体が会社などの債務を肩代わりする「保証契約」を禁じているが、これに基づいて支出を差し止める判決は異例。判決は「本件損失補償契約の締結当時、財政援助制限法が適用されて無効になる裁判例はなく、行政実例上も損失補償については財政援助制限法が規制するものではないという自治省指導(昭和29年)が行われ、多くの地方公共団体が損失補償契約を結んできた」とこれまでの経緯を述べている。今回判決の「画期性」を自認した形だ。
 加藤裁判長は「損失補償契約は保証契約と同様の機能であり、地方自治体が法人の債務を保証する契約を結ぶことはできないとする財政援助制限法に違反し、無効」と判決理由で述べた。

 トマト栽培施設の使用料相当額の不当利得返還請求権については、「三郷ベジの使用は指定管理者として行われたもので、賃貸借契約に基づくものではない」という市側主張を認めた。起債償還と施設使用料とには直接の法的関係はなく、三郷ベジへの不当利得返還請求権が発生する根拠とならないと、住民側主張を退けた。ただ、判決は「三郷村ないし安曇野市が賃貸借契約なる名称を用いてきたことにより、住民に疑念と誤解を生じさせ、本件紛争を増幅させてきたことに反省が求められる」と軟らかな表現ながら、釘を刺した。

 この日、加藤裁判長は午後1時10分から立て続けに計9件の民事判決を言い渡した。三郷ベジ訴訟までは「本件上告を棄却」の連続。1件1分足らずだったが、三郷ベジ住民訴訟でがらりと変わった。加藤裁判長は「議論がかみ合った。正面から判断した」と、異例ともいえるコメントを付けた。

 判決後、小林議員はメディア各社に「市民の主張が認められた。安曇野菜園を民間譲渡するという市の判断を後押しするはずだ」「3セクの損失補償の問題は全国の自治体にあり、波及する影響は大きい」と述べた。宮沢市長は「判決を読んで今後の対応を検討する」とコメントした。  
                              (報告・横地泰英)

安曇野市の損失補償契約「違法で無効」 東京高裁判決(信濃毎日新聞)

三セクの損失補償は無効 長野・安曇野市側が敗訴

損失補償契約は無効
 =金融機関への支払い差し止め-三セクめぐり安曇野市に(時事通信)


三セクの損失補償は無効 長野・安曇野市側が敗訴(共同通信)

安曇野市:三セク損失補償「違法」…高裁が差し止め命令(毎日新聞)
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by misato_tomato | 2010-09-15 21:38 | 住民訴訟
2010年 07月 06日

三郷ベジタブル関連住民訴訟の控訴審第4回口頭弁論

~判決8月30日に 「三郷ベジ」住民訴訟 結審~

 控訴審第4回口頭弁論の報告です。「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんがレポートしました。

◆住民訴訟 控訴審第4回口頭弁論
 高裁判決、8月30日に/「三郷ベジ」住民訴訟 結審
 10年6月14日(月)14:00開廷 14:25閉廷
 東京高裁 加藤新太郎裁判長
 控訴人側 小林純子 中島嘉尚弁護士 傍聴者3名
 被控訴人(安曇野市長)側 宮澤明雄弁護士 傍聴者(市職員)2 名
   
 安曇野市のトマト栽培第3セクター安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)をめぐる住民訴訟は10年6月14日、東京高裁で第4回口頭弁論が開かれ、結審した。判決言い渡しは8月30日(月)13時10分。
 第4回口頭弁論で控訴人側は、これまで1~2審を通じて提出した全準備書面を集大成した準備書面11(48ページ)を提出。被控訴人側は「これまでの主張の繰り返しにすぎない」としながらも、従来主張に沿って反論した。

 加藤裁判長は受理書面を確認した後のやりとりで、前段の安曇野菜園と安曇野市の施設賃貸借契約の不法性や施設使用料の問題には踏み込まず、金融機関と安曇野市が結んだ損失補償契約が、事実上保証契約と考えるかどうかの後段部分について、双方に問うた。被控訴人、控訴人ともそれぞれの主張を繰り返した。控訴人側の中島弁護士は「財政援助制限法という法がある以上、それを守るという単純な考え方です。あづみ農協との契約はとくに保証契約とそっくり」と指摘。損失補償契約そのものの違法性についても法律判断を求めた。

 この日提出された準備書面(3)で被控訴人・安曇野市側は、「三郷ベジによる施設使用は、行政財産を指定管理者として管理するもので、納付金の有無や額を条例で定める必要はない」という考えを基本に、「安曇野市は指定管理者制度による施設使用料を、賃貸借契約という名目で定めたもので、行政財産の貸付に該当しない」と“読み替え論”を展開。賃貸借契約を結んでいるが、中身は指定管理であり、賃貸借ではない、違法無効でないと、分かりにくい理屈を繰り返した。読み替えについての控訴人主張は「違法なものを合法なものに読み替えるなどという行為は行政手続きの適法性に反する」と、しごく明快なものだ。

 控訴人側は準備書面11の23ページ以下で「安曇野市の損失」をまとめている。三郷ベジ建設費用20億円による起債償還額は、計6億8千万円、元利合わせ7億2700万円。安曇野市は平成16~20年度までにこのうち2億9千万円を償還支出している。
 これに対し被控訴人側は、この日の準備書面で改めて従来主張を繰り返した。納税者市民から見ればまことに腹立たしい理屈なので、主な部分を採録する。
「そもそも安曇野市と菜園の法律関係は賃貸借契約ではないから、賃料額を内容とする利得も損失も観念できない。菜園は市との管理運営業務委託契約に基づいて施設使用料を負担しているのであって、現在まで支払い弁済期が来ていないにすぎない。起債償還の負担と施設使用料は別個の行為・原因に基づくもので、法律上の因果関係はない。起債償還を指定管理者からの納付金でまかなうのは施設設置スキームの動機にすぎない。元利金負担と菜園の利得との間に因果関係はない」
 市は議会全協で「使用料はこれまでの分もこれからも払えない」とすでに明言。宮沢市長は、債権放棄をすでに匂わせているという。税金をバケツからザルにあけるようなものだ。

 ところで、これまでに収集した菜園関係の資料を改めて整理してみたところ、トマト栽培施設使用料をいくらに設定しようとしていたかが分かる文書が新たに2種類見つかった。一つは、旧三郷村が県に提出した販路開拓緊急対策事業計画書(平成14年度策定)で、そこには「村への施設使用料金3155万円」となっており、もう一つは県に提出された後の同事業計画書で、こちらでは「村への施設使用料金5000万円」となっている。それが村議会に説明するころには7000万円にも膨らんだ、つまり「こんなに儲かる」という話になっていたのだ。いかに杜撰な計画だったかを物語る数字である。
                                 (報告・横地 泰英)


平成22年6月9日準備書面安曇野市長3

2010年(平成22年)5月13日小林純子準備書面11

2010年(平成22年)6月14日小林純子準備書面12

2010年(平成22年)6月11日小林純子取り下げの上申書
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by misato_tomato | 2010-07-06 13:54 | 住民訴訟
2010年 03月 13日

三郷ベジタブル関連住民訴訟の控訴審第3回口頭弁論

~ 6月14日結審の方向/「三郷ベジ」住民訴訟控訴審 ~

 控訴審第3回口頭弁論の報告です。「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんがレポートしました。

◆住民訴訟 控訴審第3回口頭弁論
 6月14日結審の方向/「三郷ベジ」住民訴訟控訴審
 2010年3月10 日(水)16:03開廷 16:35 閉廷
 東京高裁 加藤新太郎裁判長
 控訴人側 小林純子 中島嘉尚弁護士 傍聴者2名
 被控訴人(安曇野市長)側 宮澤明雄弁護士 傍聴者(市職員)2 名

 経営不振の安曇野市のトマト栽培第三セクター・安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)をめぐる住民訴訟は10年3月10日、東京高裁で第3回口頭弁論が開かれた。
 控訴人側は準備書面(10)を提出。被控訴人側はこの準備書面に反論する準備書面(2)を提出した。控訴人側はていねいに論旨を展開したのに対し、被控訴人(市側)は控訴人の主張を否定あるいは否認する形で、「指定管理」の論理を述べた。最後に裁判長は「かなり詰まってきている。それぞれきちんと主張し、誠実に反論してきた。もう1回やって終結ということでどうか」と審理日程を問い、控訴人側は「事実関係で争いはないから、証人調べの必要はない。双方の主張を判断することでよいのではないか」と答え、被控訴人側も「新たな主張をする予定はない」と答えた。
 次回第4回口頭弁論は、6月14日(月)と決まり、それまでに1度、準備書面をやりとりすることとした。

 被控訴人側の「指定管理の論理」は、09年12月21日の第2回口頭弁論に提出された準備書面(1)で全面展開したものだ。使用料徴収、施設管理費用の負担、納付金などについて広く行政裁量に委ねられるものとした。今回準備書面(2)では、「本件施設の使用は、指定管理者とされた者が行う管理・占有に基づくもので、賃貸借契約に基づくものでなく、公の施設の利用の問題でもない」と主張。準備書面(1)では、指定管理の中身を幅広くとり、さまざまな三セク経営のありようを並べたのを受けて、「賃貸借契約ではなく、指定管理契約。公の施設の利用の問題ではなく、指定管理者の管理」と展開した。
 賃貸借契約を結んでいるが「賃貸借ではない」。その契約で使用料支払いを決めているが「利用の問題ではない」。分かりにくい主張だ。

 三郷ベジタブル問題には、ざっと10年にわたる経緯があり、当初は指定管理の認識もなく、制度の変遷に乗ってきただけという経過がある。控訴審における被控訴人の主張は、三郷村が指定管理者の指定をした平成16年時点から、使用料や納付金などについて幅広い行政裁量が認められるということになる。これは、これまでの時点ごとの説明や、経営改善計画の内容などと異なる。事実の「すり替え」があり、施設使用料の有無や指定管理料の設定など、安曇野市民にさらなる負担増をもたらしかねない。
 第3回弁論の後半は、あづみ農協との損失補償についてのやりとりがあり、準備書面(2)について、被控訴人側弁護士が裁判長質問に即答できず、立ち往生する場面もあった。(報告・横地泰英)

控訴審の第4回口頭弁論は6月14日(月)14時~東京高裁 
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by misato_tomato | 2010-03-13 10:31 | 住民訴訟