三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会

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カテゴリ:活動報告( 10 )


2012年 04月 02日

2012年 3月 15日 訴訟費用請求撤回の申し入れ

~全国市民オンブズマン連絡会議、自由法曹団長野支部など4団体~

 本日(15日)安曇野市長に対し、安曇野菜園損失補償裁判の訴訟費用請求撤回の申し入れをしました。「自由法曹団長野支部」から要請書、「全国市民オンブズマン連絡会議」、「松本平市民オンブズマン」から申し入れ書、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」から意見書と、4団体からそれぞれ文書を提出しました。申し入れには8名が参加。
 市側は副市長と、なぜか農林部長(この裁判の所管ではあるが、訴訟費用の出納は総務部の仕事)が対応しました。市長のスケジュールとこちら数団体の都合を合わせることができず、宮澤市長不在の日になってしまったのは残念でした。

 敗訴住民に訴訟費用を請求する方針を通そうとする市長への抗議と、撤回を求める文書を提出した後に多少のやり取りがありましたが、市長不在ということもあり、村上副市長は市長や弁護士と相談したいと述べるにとどまりました。
 その後に場所を移してメデイア取材を受けました。(信濃毎日新聞、市民タイムス、中日新聞の3紙が記事掲載)また、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」からは、市議会議員への要請書も提出しました。
 以下、本日提出の文書です。


                                   2012年3月15日
安曇野市長 宮澤 宗弘 様

                                  松本平市民オンブズマン
                                  代表幹事  宮川 速雄
                                  松本市北深志2-1-5

                    申し入れ書

安曇野菜園損失補償住民訴訟(以下・本件)に関わる元原告らに対する訴訟費用額確定処分は、住民の目線で市政をチェック・是正を求めるという公益目的のためのオンブズマン活動を著しく阻害するものであることから、以下の理由により訴訟費用請求の申し立ての取り下げを求めます。

○ 本件住民訴訟は、経営不振の第三セクター(安曇野菜園株式会社)に安曇野市が損失補償を行うことにより、安曇野市の税金投入と市財政への悪影響が危惧されるため提起されたもので、元原告らの私的利益を目的ではないことは明らかである。

○ 本件は、第三セクター安曇野菜園の経営破綻にいたる法律的根拠に基づいて提起されたものであり、いわゆる濫訴には当たらず、第二審の東京高等裁判所では、原告の主張が全面的に認められ、原告勝訴の判決が下された(平成22年8月30日)。

○ 控訴審で原告勝訴の判決がなされた後、第三セクター安曇野菜園が営業権を譲渡することにより損失補償対象の負債を完済したため、本件提訴理由の損失補償の対象が消滅し、最高裁判所において訴訟上の請求が却下されたものであり、形式的に原告敗訴になったものである。

○ こうした住民訴訟の提起や住民監査の請求は、住民に与えられた権利であり、自治体民主主義の根幹をなすものである。いうまでもなく、住民訴訟提起や住民監査請求は、住民目線で当該自治体のチェックや是正のために行われるものであって、私的利益のものではない。従って、形式的敗訴の原告に訴訟費用の支払いを求めることは、今後の住民活動に対する威嚇であり、萎縮効果をもたらすものであって、自治体民主主義の発展を著しく阻害するものである。

以上のような観点から、本件申し立てを速やかに取り下げるよう強く申し入れるものです。


自由法曹団長野県支部要請書
http://junko.voicejapan.net/pro-board/file/1331999996.pdf

全国市民オンブズマン連絡会議申し入れ書
http://junko.voicejapan.net/pro-board/file/1332000513.pdf

三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会意見書
http://junko.voicejapan.net/pro-board/file/1332000068.pdf
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by misato_tomato | 2012-04-02 20:52 | 活動報告
2012年 04月 02日

2011年 10月 29日 最高裁判決から一夜明けて

原告の小林純子から、最高裁判決について報告します。

最高裁判決から一夜明けて、だいぶ気持ちも落ち着いたので
各社新聞報道をチェック。

昨夜は「どちらが勝ったとか負けたとかいう判決ではありません」と、
わたしの思いを書きましたが、冷静になってみれば
こういう場合、一般的に「住民側敗訴」と表現するのは仕方ないのかなと。

しかし、最高裁は安曇野市の上告の申し立てを不受理としながら、
つまり判断しないとしたにもかかわらず、
「職件による検討」として異例の判決を出したことには、納得いきません。
判決の内容については昨日の横地さんのレポートをご覧ください。


さて、以下は実になさけない話ですが、興味のある方はどうぞ。

中央線は人身事故がけっこう頻繁にあります。
わたし自身も「あづさ」に乗っていて、過去3回遭遇しています。
でも、よりによって最高裁判所へ行こうという時に事故が起こるなんて・・・

今回、武蔵ナントカという駅付近で人身事故があり、
「あづさ」は1時間遅れとなってしまったのです。
遅刻の連絡は何とかつけましたが、ほんとに残念無念でした。
結局、判決言い渡しには間に合わず、判決文だけをもらってきました。

最高裁判所に到着したときには、
新聞各紙の記者さんがまだ待っていてくださって、
「判決は聞いたが意味がわからない。判決文を見せてほしい」と言うのです。

それではと、最高裁の門を入ろうとすると、何人も守衛さんがいらっしゃる。
用件を伝えると、身分証明書の提示を求められ、
入場許可の文書を書いてやっと入ることが許されました。

そこから長いアプローチの緩やかな階段をのぼり南口玄関へ。
受付には男性が一人、もう一人男性が出てきて「ご案内します」というので従いました。

天井は高い、廊下は広くて長い、行き交う人はだれ一人としてない。
わたしと案内人の靴音だけが無機質な空間に響く。
途中で正面玄関を通り抜けたのですが、ここにも人っ子一人いない。
高い吹き抜け、大きく重厚な扉、法廷に続く壮大な階段・・・

まさに「権威の象徴」としての建築。
人を寄せ付けない威圧感は、最高裁判所に最もふさわしい装い。
遠くから見ている分には美しいが、近寄れば幻滅・・・
わたしの目には日本一コストパフォーマンスの悪い建物に映りました。

そして、
世間から隔絶されたような、こんな建物の中で日々過ごしている裁判官は
庶民感覚と離れていくのも無理ないことなのでしょう。

そんなことを考えながら5階の事務所で判決文を受け取り、
「出口がわかりにくいですからご案内します」との言葉に甘え、帰りも先導していただきました。
ご親切にと、その時は思ったのですが
これはおそらく、自由に裁判所内をウロウロされては困るという事情でしょう。
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by misato_tomato | 2012-04-02 20:43 | 活動報告
2012年 04月 02日

2011年 9月 5日 三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その3)

~市民オンブズマン松本大会で安曇野菜園損失補償問題の報告~

2011年2月 2日 自治体クライシス
 「自治体クライシス~赤字第三セクターとの闘い」(伯野卓彦 著)を読みました。飯綱リゾートでは長野県地域開発公社が関わっていましたが、安曇野菜園では長野県農業開発公社が大きな役割を担っていました。のせられた自治体がバカだったのか。煽った国、県、銀行にも責任はあるはず・・・と、まあ、これを聞きつけてのことではなさそうですが、先日、日経グローカルの取材がありました。2月初旬発行号で「自治体の法務対策」という特集を組む予定。安曇野菜園の損失補償をめぐる裁判も取り上げるとのこと。

 いろいろ話をしましたが、そのなかには「金融機関に貸し手責任はあるか」という質問がありました。わたしは「当然あります」と、きっぱり。三セク事業に手を出した首長の不見識と行政の無責任、そこに議会の機能不全が重なった最悪の展開であり、自治体の責任は免れない。しかし、不見識と無責任で固めた三セクの事業計画を鵜呑みにして、いや、鵜呑みどころか「こりゃダメだ」とわかっていて、でも、「自治体ならとりっぱぐれはない」と融資したのが銀行。自治体もひどいが、銀行もその本来の使命を忘れてモラルに反する融資をした。

 この本のオビにはこうあります。
「煽った国も銀行も借金で瀕死の市町村を見捨てていた!」
「自治体クライシス」の出版はちょうど1年前ですが、その時点ではまだ損失補償契約は違法・無効とする高裁判決は出ていなかった。だから、この本に語られている三セク問題では、自治体はただひたすらに損失補償契約を履行するため、もがいています。そこに、東京高裁の「加藤判決」は救いと解決の道筋をつけたのです。

 安曇野市は「加藤判決」を受け入れることで、三セク問題解決のさきがけとなります。それこそ安曇野市の使命というものです。今からでも遅くはない、最高裁への上告を取り下げるのが最善の道と思います。

2011年2月 13日 自治体の法務は大丈夫か
 日経グローカルNo.165(2011.2.7)の特集「自治体の法務は大丈夫か」に安曇野菜園の損失補償の問題が取り上げられています。『全国市民オンブズマン連絡会議では、「全国の三セクの損失補償のほとんどは、安曇野のような『偽装損失補償』ではないか」と見ている。仮に、安曇野の高裁判決が確定してしまうようなことになれば、銀行が保全していると思っていた2兆7000億円もの債権の多くが、実は違法で無効だ、ということになってしまい、彼らの経営を揺るがすことにもなりかねない』。

 『偽装損失補償』とはよく言ったものです。安曇野市(旧三郷村)が認めた(注1)損失補償契約の限度額は2億5000万円ですが、実際に旧三郷村が金融機関と結んだ損失補償契約を見てみると、A金融機関 2億5000万円 B金融機関 5250万円 C金融機関 4875万円 合計で3億5125万円になります。限度額の2億5000万円をはるかに超えていた(注2)ことがわかります。C金融機関にいたっては、当初は損失補償の契約書さえなかった。

 なんとイイカゲンな契約だったことか。『偽装』する前にすでにシッポが出ていたようなものです。とはいえ、契約ですから相手のある話で、『偽装損失補償』契約には金融機関の貸手責任が当然のこと、あると思います。

(注1)三郷村議会が議決している。
(注2)あくまでも限度額設定であり、3億5125万円の借入をしたわけではない。
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by misato_tomato | 2012-04-02 20:17 | 活動報告
2012年 04月 02日

2011年 9月 5日 三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その2)

~市民オンブズマン松本大会で安曇野菜園損失補償問題の報告~

2010年8月30日 「三郷ベジ」住民訴訟/安曇野市の損失補償は違法
 安曇野市のトマト栽培第3セクター安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)をめぐる住民訴訟は2010年8月30日、東京高裁で判決がありました。
 同社に融資した3金融機関と市が結んだ損失補償契約を無効とする訴えについて、加藤新太郎裁判長は「財政援助制限法に違反し、無効」と認定。契約に基づく補償支払いをしないよう市に命じました。この部分について一審・長野地裁判決を変更、住民側請求は認められたのです。

 トマト栽培施設の使用料相当額の不当利得返還請求権については、「三郷ベジの使用は指定管理者として行われたもので、賃貸借契約に基づくものではない」という市側主張を認めました。起債償還と施設使用料とには直接の法的関係はなく、三郷ベジへの不当利得返還請求権が発生する根拠とならないとして、住民側主張は退けられました。ただ、判決は「三郷村ないし安曇野市が賃貸借契約なる名称を用いてきたことにより、住民に疑念と誤解を生じさせ、本件紛争を増幅させてきたことに反省が求められる」と軟らかな表現ながら、釘を刺したかたちとなっていました。

 この日、加藤裁判長は午後1時10分から立て続けに計9件の民事判決を言い渡しました。「本件上告を棄却」の連続。いずれも1件1分足らずで次々と進みましたが、三郷ベジ住民訴訟の判決ではガラリと変わりました。加藤裁判長は、傍聴席の原告の方に顔を向け「よく聞いてください」と前置きしてから判決文を読み上げたのです。そして、「議論がかみ合った。正面から判断した」と、異例ともいえるコメントをいただいたのでした。

2010年11月 25日 債権放棄するなら上告の取り下げを
 トマト栽培三セク安曇野菜園をめぐる住民訴訟について、9月議会で市長は「高裁判決がこのまま確定すれば、安曇野菜園は倒産に追い込まれかねない。最高裁の判断を仰ぎたい」と述べ、上告しました。

 しかし、上告したとて「倒産に追い込まれかねない」状況に変わりはありません。先日発表になった第7期決算は待望の黒字決算でしたが、緊急雇用の補助金を計算に入れたうえでの数字ですから、実質はやっぱり赤字。それに、キャッシュフローは黒字とは別の話で、現金が手元にない状況は変わりありません。つまり、損失補償で借りている借金の返済ができない・・・、未払金はなかなか減らない・・・、資金ショートのおそれも・・・。

 本日の全員協議会では、いよいよ「債権放棄」の話が出てきました。市長の説明は、まったくスジの通らないものでした。三セク安曇野菜園は経営に失敗したので、施設使用料の未払金3億円余は、市として債権放棄せざるを得ない。つまり、菜園が滞納している3億円余は免除する、もう払わなくてよいことにするというのです。

 市長は議会や市民説明会で「旧三郷村の事業計画は甘かった、トマト栽培事業は失敗だった」と認めています。にもかかわらず、市長は最高裁に上告しました。上告したということは、「損失補償によって事業継続している安曇野菜園については、公益性があるから安曇野市の損失補償契約は適法である」と主張することにほかなりません。市民に向かっては「失敗した」「債権放棄もやむをえない」と言いながら、裁判所に向かっては「公益性があるから損失補償契約は適法」つまり「失敗した」わけではないと主張しているのです。これは矛盾していませんか。

 失敗を認めたその次には、行政の責任を明確にしなければなりません。その責任の取り方の一つとしては、高裁判決を受け入れることです。こんな事業に損失補償をした自治体(旧三郷村~安曇野市)に責任がないなんて、市民のいったいだれが納得するでしょうか。市民に「債権放棄」をお願いするなら、最高裁への上告を取り下げてからにしなければスジが通らないというものです。
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by misato_tomato | 2012-04-02 20:14 | 活動報告
2012年 04月 02日

2011年 9月 5日 三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その1)

~市民オンブズマン松本大会で安曇野菜園損失補償問題の報告~
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 第18回全国市民オンブズマン大会が松本市で開催されました。大会テーマは「震災・復興と、市民オンブズマン」。3.11震災前は第三セクターと損失補償問題だったのですが、緊急性ということ、今やらなくてどうするということで、このテーマ変更は当然でしょう。それでも、4日の午前中には安曇野市の3セク損失補償問題の報告をということで、わたしと中島弁護士が住民訴訟と高裁の「加藤判決」(損失補償契約は違法)について発表しました。
 大会の資料集のために書いた「三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る」を3回に分けて、ここに掲載します。


三セク住民訴訟と安曇野市の対応を振り返る(その1)
2007年11月21日 三郷ベジタブルの使用料徴収にかかわる住民訴訟

 安曇野市が出資する第三セクター「三郷ベジタブル」(現安曇野菜園)に、トマト栽培施設使用料の支払いを求める住民監査請求を行ったのは2007年8月31日のことでした。以下の3点を要求し、②の「安曇野市の平成19年度一般会計予算を増額補正するように勧告すること」だけが認められ、それ以外については「監査請求する理由がない」ということで棄却となりました。

 ①市は、総額7億1,380万円となるはずの㈱三郷ベジタブルにかかる使用料につき、減免したり使用料の一部を時効消滅させてはならないと勧告すること。→棄却
 ②市は、㈱三郷ベジタブルに、トマト栽培施設使用料7,138万円を直ちに請求し→棄却、安曇野市の平成19年度一般会計予算を増額補正するように勧告すること。→市長に勧告。
 ③市は、市(旧三郷村)と㈱三郷ベジタブルおよび金融機関が結んだ2億5,000万円の損失補償契約は直ちに解除すること。その際に市に生じる損害は、当初の契約責任のある旧三郷村長であった副市長が弁済するように勧告すること。→棄却

 一部ではあれ認められた点は評価するとしても、市民が期待したのは「将来性のないトマト栽培の事業を強引に進めた旧三郷村行政と村長(当時の安曇野市の副市長で㈱三郷ベジタブル会長)の責任を明確にし、今後二度とこのような問題を起こさぬようにすること」であり、残念ながらそこまで踏み込んだ監査はなされませんでした。市の監査委員というものは「身内の監査」でやりにくいのでしょう。市議会の追及も甘く、問題は先送りされるばかり。住民監査請求で第三セクターの会社を追求することの困難さと、市の監査の限界を感じました。

 このうえは、住民訴訟により責任を追及したいと考え、2007年11月21日に、三郷ベジタブルの使用料徴収と損失補償契約について、安曇野市の対応の違法性を問う住民訴訟を長野地裁に提訴しました。
 住民訴訟といっても、訴えうる違法性は限られており、勝訴の可能性も高くはありません。行政が訴えられた場合、裁判所は「行政の無謬性」にこだわります。行政が間違えるはずがないと思い込んでいる(信じている?)ので、行政側が敗訴する判決など書きたがらないのです。しかし、訴訟を闘うプロセスそのものが、第三セクターや三郷ベジタブルの問題を市民に明らかにすることにつながり、そこに大きな意義があると考え提訴に踏み切りました。ウヤムヤにはできない重要な問題であり、市民からの問題提起が今後の市政に大きな影響を及ぼすとともに、住民自治への関心を高める契機としたかったのです。

2009年8月7日 地裁判決言渡し、原告訴え2点を却下、その余は棄却
 原告請求について、2点を却下。その余の請求についても、いずれも棄却となりました。

 判決は、安曇野市が起債償還するために、三郷ベジタブルが支払うべき施設使用料に相当する年間7000万円を税金で賄っていることや、金融機関からの融資に安曇野市がどのような事情で損失補償しているかについては直接触れていません。また、「三郷ベジタブルの信用だけでは融資ができない場合に、地方公共団体による損失補償がされることで融資を行おうとすることは何ら不当なことではない」と判断していますが、これ一つ取っても市民感覚からは程遠い判決だと言わざるをえません。

 原告側の中島嘉尚弁護士は、「判決は、訴えの要件をほとんど判断していない。公の施設(トマト栽培施設)の賃貸借契約は地方自治法に違反していることや、安曇野市が三郷ベジタブルから施設使用料をとらないことで同社が不当利得を得ているという、訴えの内容に踏み込んで判断していない。“門前払い”だ。控訴して上級審の判断を仰ぎたい」と述べ、わたしたち原告も当然同意しました。

2009年11月15日 住民訴訟/控訴審スタート/東京高裁
 安曇野市のトマト栽培第三セクター・安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)経営をめぐる住民訴訟は09年11月11日、東京高裁で第1回口頭弁論が開かれました。

 加藤裁判長に「どこで決着するのか」と問われた中島弁護士は「賃貸借契約でないとする被控訴人側は、“読み替え”というが、賃貸借はあくまで賃貸借契約であり、読み替えなど理解できない」と主張。加藤裁判長は「真意、あるいは明示でなく黙示ということか」と(賃料読み替えの)意味を分析したうえで「ナンセンスだよね」と端的な評価を述べました。そして「地方自治法改正で制度が切り替えられたとき、なぜ書面をつくらなかったか」と被控訴人側に問い、これに対し弁護士は「三郷村は、司法試験合格職員がいる東京都のような自治体ではない。よくわかっていなかったため従来どおりの形(賃貸借契約)にした」と説明した。

 控訴理由第2項の丙事件請求(1)(2)=賃貸借契約の無効確認など=について中島弁護士が水戸地裁判決を判例に説明。加藤裁判長は「請求は、ものになりそうな請求に絞るように」と指示した。控訴理由第3項=金融機関との損失補償契約=については、中島弁護士が保証契約と実質同じであると説明したのに対し、加藤裁判長は「どこにポイントを置いて決着をつけるか」と聞いた。中島弁護士はA農協との損失補償契約が「連携して債務履行に任じる」としていることに注目していることを強調した。
中島弁護士から「高裁であれほどのやりとりは珍しい。油断はできないが、関心を持っているようだ」と評価。
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by misato_tomato | 2012-04-02 20:10 | 活動報告
2009年 09月 16日

安曇野市議会一般質問 安曇野菜園経営問題、すれ違いの答弁

「菜園てこ入れが最善の策」-平林市長
「現時点では改善効果疑問」-小林議員


 安曇野市議会は09年9月15日(火)、一般質問を行い、小林純子議員はトマト栽培の三セク・安曇野菜園経営について質した。6期決算が3800万円の赤字見通しになったのを踏まえ、①黒字化する中期経営改善計画は初年度からつまづいた。6期決算をどう分析評価するか②平林市長は今議会で、菜園継続を基本に経営や技術支援し所期の目的達成をめざすと述べたが、事業継続の根拠は何か③経営責任、行政責任、政治責任を明確にするべきだ、と3点に絞って質問した。

 二木産業観光部長が「赤字は、技術不足による。緊急経済対策による補正予算案を計上、経営再建に努力し、なんとか右肩上がりにしたい」と答弁。小林議員が「現時点でこの支援はむだになる恐れが大きい。カゴメも栽培条件の難しさをあげたと言う。補正よりも考えることは他にあるのではないか」と質した。平林市長は「(20億円を超す)施設は、旧三郷村が議会議決を経てつくり、合併後の安曇野市が引き継いだ。民意に基づいており、いますぐ破綻させるわけには行かない。経営にてこ入れし、再生努力するのが最善の策。他の三セク経営にも影響する。いい方向に行くかもしれない」などと答弁。

 小林議員は木質バイオマス・ガス化事業の廃止を例に①菜園問題の決定が、他の三セク経営判断の前例になる②破綻を含め必要な判断をしなければならない。いまごろ経営・技術支援する効果があるのか、と迫った。平林市長は「無駄というのは小林議員の判断。いま一度再生のため打つ手はある。あとの人(次の市長)の負担にならぬようにする。民間に移す手法があるか、経営母体をどうするか、庁内でも鋭意詰めている」と答えた。しかし経営改善策は、ただ「やる」「努力する」というだけで実現の根拠は乏しく、市長答弁はすれ違いのまま終わった。論点のずれも目立った。

 安曇野菜園の経営改善計画はこれまで6年間に2度策定され、さらに中期計画で修正された。しかし、改善どころか赤字は膨らむばかり。いずれの計画も施設使用料の値下げや支払い猶予が前提で、起債償還は市の財政に大きな負担をかけている。平林市長はこの日、「7期もだめだったら、資金ショートで動けなくなることも。ときどきの判断をしなければならない」とまで言及。“暗い想定”に傍聴席から吐息がもれた。

        退職金問題に副市長「答えられない」
 小林議員は最後に、安曇野菜園の代表取締役会長である西山副市長の経営・政治責任を追及。「副市長には退職金約1000万円が払われる。市民感情として納得できない。ご自身どう考えるか」と迫った。西山副市長は「慎重に考えないといけない。今ここでは答えられません」と答弁を避けた。                               (報告・横地泰英)
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by misato_tomato | 2009-09-16 08:53 | 活動報告
2009年 01月 14日

12月17日 12月議会・小林じゅん子の一般質問

安曇野菜園経営、第6期業績を見て判断
     ~平林市長、政治的判断が必要と答弁~


 安曇野市議会12月定例会一般質問は12月16日~18日の三日間。私は、第三セクター「安曇野菜園」(旧三郷ベジタブル)と「三郷堆肥センター」(三郷農業振興公社)の経営問題について、経営危機を招いてきた責任と今後の見通しなどを質問しました。
 以下に、三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会の横地さんから、傍聴のレポートをいただきましたので掲載します。

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 安曇野市議会は08年12月17日、一般質問があり、小林純子議員は第3セクター「安曇野菜園」(旧三郷ベジタブル)と「三郷堆肥センター」(三郷農業振興公社)の経営問題について経営危機を招いてきた責任と今後の見通しなどを質した。

 安曇野菜園の経営責任については、平林伊三郎市長が答弁に立ち、第三セクターという組織と行政の役割について説明した後「三セクのありかたについては、見通しをつけなければならない。政治的判断は第6期の業績を見て、することになるだろう」と語った。安曇野菜園第6期決算が分かるのは、09年秋。市民の税金で毎年多額の補助金返済を肩代わりしてきた菜園経営への「政治的判断」が初めて示されることになる。

 小林議員は、08年8月までの安曇野菜園第5期決算で、売上高が3億9300万円と計画値を10.9%下回り3600万円の赤字を出していることを指摘。この決算について、菜園と安曇野市それぞれの評価を訊いた。

 二木一雄産業観光部長は「第5期は経営改善計画を下回り、当初見込みに甘さがあった。第5期は経営改善の準備期間と考えており、第6期が正念場。会社としては経営の長期戦略として第6期につなげうる推移ととらえている。また市としては、第6期で利益を生む構造にするよう、生産現場を応援していく」などと答弁。

 小林議員が、すでに4分の1経過している第6期の現状について聞くと「植え付け面積、天候影響などでいい数字が出ているとは言えない」と、回りくどい説明だった。

 さらに小林議員は、安曇野菜園が07年9~12月にかけて、カゴメと協議した経緯と内容から、菜園の代表権を持つ西山馥司・副市長の経営責任について質した。カゴメが「安曇野市との契約はすでに1年ごとになっており、第7期以降縮小の可能性を考えている」と述べていることについて、西山副市長は「すでに新しい品種を入れ、カゴメが減る分は自分たちで処理するようにしている。カゴメの縮小可能性などは、すべて『かもしれない』という仮定の話だ。現実にだめなら、他品種とか他の買取先を探すとかになる」と答えた。

 小林議員は「経営改善計画を提出したさい、説明すべきだった」と指摘した上で、「トップがきちんと責任を取らない限り、安曇野菜園の人心一新はない」と追及。西山副市長は「前回答えた通り、いまは会社再生が第1」と述べ、小林議員が「そういう話を聞いて何年たつか」とこれまでのやりとりメモを読み上げた。

 これに対し平林市長は「私から見解を述べたい」と立ち上がり「行政と違って企業はモノをつくり、売ることで成り立つ。経済的論理で支配され、行政のいう通り動くわけではない。行政として3セクのありかたは考えてゆかなければならない。社長として居座るとかいうことならば、見方が違う。三郷村はかなりの額を負担し、農業振興、雇用促進、環境問題などから可決してきた。企業人事を議場で論じることはいかがか。企業の考えに行政としてどう関わるか、ここで議論するべきことか」と疑問を呈した。

 小林議員は「企業・行政を分けて議論といっても、菜園代表と副市長が同じ人物であるという構造的な問題がある。菜園代表が副市長でいることが適当であるのか。副市長、代表としての責任問題は、ここで扱うべき問題だと思う」と追及。平林市長は「三セクと公共の関係については、たとえば『ありかた検討委』などに意見を求めたりしてきた。他の三セクとの問題もある。ご指摘は、このままやってゆくより、何らかの清算を求めているように思う。しかし、慎重に考えなければならない。なぜなら補助金問題、その返還がある。松本市の三セクのような手法もあるだろう。プラスマイナスを政治的に判断しなければならない。第6期の業績を見て判断することになる。ここで企業的なことを決めても、その通りいくかどうか」と述べた。

 第6期決算は09年11月ごろ中身が明らかになるが、一般質問のやりとりは1議員60分に限られており、これまで安曇野菜園に注ぎこまれてきた多額の税金や、今後の見通しなどの具体的議論は尽くされなかった。

 三郷堆肥センターの経営改善計画については、二木産業観光部長が「いま詰めている。年内にはなんとかまとまると思う。水分調整は、入りと出をはっきりさせる。施設スタート以来の約束をやってもらう。2、3年でまた撹拌機が壊れるようなことにはしない。水分70%以上の該当者は、以下に落とさせる」と説明。小林議員は「やっと具体的な実現可能性を感じる答弁を聞けた」と評価した。  (以上まとめと報告・横地泰英)


 平林市長が「私から見解を述べたい」と、指名されもしないのに立ち上がり、西山副市長を擁護するような発言を始めたのには驚きました。しかし、ファインフーズ梓川(松本市の三セク)の後処理の話まで持ち出してくるところを見ると、やはりそれほど気になっているということでしょう。
 それにしても、平林市長は聞かれもしないことをとうとうとしゃべり'議論のすり替え'、'論点づらし'。「市長に訊いているのではありません」と、発言にストップをかけるべきでしたが、咄嗟の判断ができないのは私の今の'実力'というところか・・・
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by misato_tomato | 2009-01-14 11:12 | 活動報告
2008年 07月 22日

6月20日 6月議会・小林じゅん子の一般質問

~責任問題になると語気を強める副市長~

 18日~20日の3日間は一般質問、20人の議員が質問しました。
 いつもだと、一般質問のテープ起こしが済んだ議事録をもらってからでないと、どんな内容だったのか報告できなかったのですが、今回は傍聴に訪れた横地さんがレポートをまとめてくださったので、こうしてすぐに報告ができます。

◆安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)と三郷堆肥センター いぜん不透明な経営改善の見通し/市議会一般質問
 ~菜園会長(副市長)は「責任」明言せず~


 安曇野市のトマト栽培第3セクター「安曇野菜園」(旧三郷ベジタブル)と、やはり不振の第3セクター三郷堆肥センターの経営改善問題が20日、安曇野市議会一般質問で取り上げられた。小林じゅん子議員の質問に対し、西山副市長ら市側は、あづみの菜園の経営がいまのところ改善計画に沿っていることを強調。堆肥センターについても改善計画策定を急ぐと説明した。両社の経営が依然危機的であるとする小林議員と認識の落差は埋まらなかった。

質疑要旨は次の通り。

 安曇野菜園について小林議員は、5月30日に報告された第5期上半期決算をどうとらえるか質問。「前年度対比でなく、経営改善計画に対してどうだったかをを見ると、改善が進むか、心配な決算報告だ」と指摘した。そして「これまでずっと売上高を製造原価が上回っていた。ところが、上半期は売上高2億2700万円に対し、製造原価1億700万円。ガス・電気で9300万円もかかっているのに、これだけ原価を圧縮できたのはなぜか」とただした。

 西山副市長(安曇野菜園会長)は「当期原価については、他勘定に1億1000万円振り替え、棚卸し損に持っていったりし、最終的に812万円の赤字になった。会計事務所の判断でこうなった。5月期はおととい計算が終わったが、最終的に2500万~2800万円の赤字になる見通しだ。3200万円という改善計画より下回る。2、3ヵ月後に分かることだが、売り上げは当期としていい方向だ」と強調。二木産業環境部長は、同菜園の田中・新常務を中心とする経営管理、経費削減努力を評価し、「改善計画の達成を信じて見守る」と結んだ。

 これに対し小林議員は「他勘定への振り替えはこれまでもあった。意味不明で、議会や銀行、市民に見栄えのいい数字を提示するもの。経営実態を表していない。操作しているのではないか」と追及。西山副市長は「公認会計士にきっちり見てもらった。操作はありえないと信じる」と述べた。

 小林議員は上半期決算報告のトマト販売の計画値が、経営改善計画の値と変わっていることを指摘。「同じ計画なのに、1月と5月で値が違うのはなぜか。取締役会で見込み生産量を見直したという説明に該当するのか。見直したのはいつか。分かりにくい。ごまかしだ」と追及。西山副市長は「ごまかしではない。常務の段階で現実に合わせて数字をいじったと聞く。いつ、どこでまでは確認できない」と説明。小林議員は「意図的な操作ならば、経営改善が進む方向に疑問を持たざるをえない」。副市長は「私の勉強不足。ご指摘いただくまで、当然そういう(改善計画の)数字と思っていた」と謝った。

 このほか、安曇野菜園決算については、長期借入金、買掛金の減少、未払い金の増加について質疑。小林議員が「払うべきものを払わずに借入金を返したり、自転車操業ぶりが見えてくる」と指摘すると、副市長は「そういう内容も含んでいる。会社経営にはいろんなことがあるし、ベジタブルはいろんな課題を抱えている」と否定しなかった。

 上半期わずか7万円だった産業廃棄物処理費用について副市長は、「2月段階では出ていないが、5期終わりには出るだろう」という見通しを示した。しかし小林議員が「トマトのつるは、一般廃棄物として処理することになり、1キロ21円と処理費はかなり安い。もっと詳しく説明してほしい」と迫ると、「いま資料がなく、説明できない。後日にまた」と逃げた。

 小林議員は「経営改善計画は、株主である市民に約束した契約。これが果たせる状況にあるのか不安だ。改善が進まなかった場合、副市長はいつ、どのように責任をとるつもりか」と代表権を持つ菜園会長である西山副市長の経営責任を問うた。これに対し副市長は「いま、改善に取り組んでいる。仮定の話には答えられない。全力で再生に尽くす」と、語気を強めた。

 最後に小林議員は、決算の時期について「仕掛品が出て、数字にブレが出るのは、8月では時期が悪い。トマト収穫が終わる6月に変えたらどうか」と提案。副市長は「いま初めて聞いたので、よく検討して考えたい」。収入役は「決算の継続性の問題もあり、決算期を変えるのはむずかしい。仕掛品の考え方を大きく変えたときならば…」と消極的だった。

◆堆肥センター経営改善も論議すれちがい
 三郷堆肥センターの経営改善は、出資法人のありかた検討委が「経営改善策の早急な策定と、経営システムの再構築を提言している。小林議員は同センター経営の現状認識、提言を受けて発足した公社改善促進プロジェクトの進捗状況、そしてセンター経営改善の見通しを問うた。

 二木産業環境部長は「検討委が指摘した①還元堆肥の見直し②排泄物の水分調整も、重要課題として認識している。センターと農家が一体となり、改善計画をつくるよう指導している」と説明。小林議員は「プロジェクトチームがやっていることは、そもそも今頃やることではない。公社は安曇野市の指定管理者にもなっており、その時点も見直しの機会があった。補助金の報告時にも問題点は把握できたはずだ。その時点できちんと対応していれば、ここまで経営悪化することはなかった。問題は分かっているはず。具体的な取り組みを急いでほしい。建設当初、地元農家との“お約束”とは、何か」とただした。

 二木部長は「ご指摘の“約束”はあったと聞く。(明らかにするのは)むずかしい」と言葉を濁した。小林議員は「明文化されてない約束にこだわっていては改善が進まない。信義の問題というなら他の市民に対する信義・責任もある。早く経営改善計画をまとめよ」と結んだ。論議はすれ違いで詰まらず、時間切れとなった。
(報告・横地泰英)
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by misato_tomato | 2008-07-22 23:54 | 活動報告
2008年 02月 15日

安曇野市出資法人あり方検討専門委員会を傍聴して

安曇野市の三セク8社の経営内容を点検
~安曇野市出資法人あり方検討専門委員会を傍聴して~
 
 1月28日開催の安曇野市出資法人あり方検討専門委員会を傍聴した「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」会員の横地さんがまとめたレポートを掲載します。

 28日の委員会では報告書案が検討されたわけですが、来週18日の委員会最終回では報告書が提出されるとのことです。注目したいと思います。

経営内容に問題山積
   安曇野市出資法人あり方検討専門委
     三郷ベジタブルの危機的状況に疑問や不安噴出

 安曇野市の三セク8社の経営内容を点検検討し市に対して提言する「安曇野市出資法人あり方検討委員会」が08年1月28日午後、堀金支所で開かれた。
 経営内容は三セクによってかなりの差があり、順調に健全な財務を維持しているところもあれば、ほとんど破産寸前ともいえるところなどさまざま。なかでも三郷ベジタブルの危機的状況が際立ち、ぬるま湯的な経営が債務を肥大させ、生産現場のマネージメントも立ち遅れているとして、際立って長い報告書案となった。
 同社が市議会に提出した経営改善計画についても厳しい目が注がれ、新たな借入の困難さや資金繰り悪化を懸念。市への提言では、改善計画を達成できない場合「早期に現法人による事業継続は断念するべきである」と踏み込んだ。

 検討委は2月18日に報告書をまとめ、市に提出する。三セクそのものへの検討委の考え方は「地域の先見的試みであり、時代の流れ」として否定しない基本方針をとっており、全体として存続の流れ。また検討委は諮問機関であり、市の対応を含め、「三郷ベジタブル」の行方は、まだ見えにくい。

 検討委員会は委員長に高崎経済大の河藤佳彦氏、委員に佐々木一夫(会計士)、花村薫(ちくま精機)、平尾勇(長野経済研究所)の各氏。19年度これまで4回のヒアリングや現地調査をし、報告書案をまとめた。ただこの時点では「対外的に示すものでない」とし、検討委ではメディアや傍聴者に報告書案を参考に配ったが、後で回収した。2月18日の最終報告書の表現や内容は、若干変わる可能性がある。

余裕ない資金計画、将来資金繰り悪化の恐れ
㈱三郷ベジタブルについての報告書案内容は要旨次の通り。
事業計画は行政職員を中心に策定された補助事業計画が主になっており、施設の規模は集団化が可能と思われる農地の面積から決定されている。またカゴメ㈱と全面的取引を前提として事業を計画しているにもかかわらず、技術者派遣はされていない。カゴメは全量を買い上げているが、一部を除き規格外品の自由販売を原則認めていないため、毎年多額の廃棄損が出ている。

 全国有数の日照時間が有効に作用しているとは言いがたく、寒冷地の劣位性が目立ってしまっている。経営状況は技術力の不足に加え、天候不順による日照不足等で売上が伸びず、使用料を含め多額の赤字を抱えるに至っている。
また経理面について第3期までの仕掛品の評価額が、通常の評価方法に比べて著しく過大となっていたが、第4期から通常の考え方に改められた。この結果、法人の決算内容は一層厳しいものになっている。

《短期に改善が必要な事項》
①新たな経営改善計画の定期的見直し
具体的な取り組みは一定の評価をする。しかし資金計画について、例えば修繕経費が十分組み込まれていない。期間中に1億7千万円を借入して土地購入を予定するなど、非常に余裕のない資金計画であり、将来の資金繰り悪化が懸念される。このことから、経営改善計画は市とも緊密連絡を図りながら、定期的見直しを行い、実効性をより高めていくことが必要である。

②経営改善計画の実効性を高めるための方策
秀品率の向上や販路拡大などにより、売上を伸ばすことが重要。あわせて収益率を向上させなくてはならない。そのため次の方策をとる。
(ア)栽培技術力の向上 地域にあった栽培技術、カゴメとの交渉も対等に行える競争力をつける
(イ)ブランド化による販売戦略 安曇野ブランドを徹底売り込み
(ウ)徹底したコスト削減 燃料費など入札制をできるかぎり導入

③経営改善計画の厳格な進捗管理
当法人は少なくとも四半期ごとに経営改善計画の進捗管理を的確に行うべきである。内部評価だけでなく外部評価も取り入れるべきである。

安曇野市に対する提言
《短期対応の必要事項》

①経営計画の進捗管理体制強化
②施設使用料7,100万円は支払い不可能で10年間は年2500万円、11年目以降1700万円として経営を成立させる計画。市の対応は存否にかかわる重要事項である。市の農業政策との関連性や適法性、財務制度上の妥当性などの観点から市が総合的議論をへたうえで判断するべきものだ。

《中長期対応の必要事項》
①事業経営 経営不振の背景に三セクのぬるま湯的体質がある。計画が達成できなければ、現法人による事業の継続は断念するべきである。事業内容の転換可能性を関係機関と協議した上で、可能ならば新たな企業を求めるなど、最大限の努力が求められる。
②施設 将来、施設の更新などで新たな公費負担も想定される。施設を行政財産として持ち続ける可否も検証しなければならない。 

◆検討委のおもなやりとり◆
佐々木委員 新計画は資金がタイトだ。農地を借入で買うといっても、市は債務保証をしない。10期が終わっても長期借入2億円以上。生産計画がうまくいかないと大変だ。賃借料2500~1700万円も本当に払えるのか、危惧する。

河藤委員長 7100万円から落とせるのか。財務関係上、適法か。市民に対して理解を求めることが必要だ。経営改善計画が俎上(マナイタ)に乗る。市としてまず判断しなければならない。きびしい状況にあり、客観的事実に立って政策を講じないと。

花村委員 付加価値やコストダウンなど、三郷ベジタブルのマネージメントは弱い。現場が甘い。ふつうなら、とっくにつぶれている。どう強化するか。収品とかモノづくりの力をつける基本強化が求められる。可能性はある。いままで何もやってないから。現状では前向きの話はしにくいが、現場は気概をもってほしい。

平尾委員 ぬるま湯的体質。出口がカゴメ1社。マネージメント不在。綱渡りの第1次計画の改善版が出た。再度の改善版というようなことはあってならない。まずカゴメと対等交渉が必要だ。新品種キャンディースイートは大切。入札制度など、できるものは実行にうつすよう。

佐々木委員 農地取得は県と協議が必要だ。できれば賃借の継続、あるいは先延ばしを、市に間に立ってもらって…。

花村委員 むずかしい。経営改善はお金をかけずにできることも考えたい、キャンディースイートにいいネーミングをして販路を確保、拡大する。宿泊施設や学校給食でも安曇野トマトを使う。

平尾委員 三郷ベジタブルの名称変更を考えたい。市の基本計画に位置づけ、あらゆるところで売るとか。三郷でなく安曇野の重要施設とする。計画はきついが、経営陣が退くことも含め「新生○○」にする。

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 検討委は、安曇野市の三セク8社を対象に、あり方を検証した。㈱ファインビュー室山、㈱ほりでーゆー四季の里、社団法人豊科開発公社、財団法人豊科文化財団、三郷農業振興公社、財団法人三郷開発公社、㈱三郷ベジタブル、穂高温泉供給株式会社。
 経営不振が深刻なのは、三郷ベジタブルと三郷農業振興公社。なかでも三郷ベジタブルは事業規模が大きく、累積債務も巨大、カゴメとの関係など複雑で解決困難な問題を抱えているのが際立つ。三郷農業振興公社も恒常的赤字で資本を食いつぶしている状態。危機的な経営で、市から多額の補助を受けながら、一部農家にたい肥を無料還元するなど「著しく公平を欠く」経営をしている。

                   
◆傍聴しての感想◆
 三郷ベジタブルについての検討委報告書案、それについての議論は多岐にわたり、絞りきれていない。施設使用料の減額問題、県公社の農地取得、累積赤字の処理、新品種キャンディースイートをはじめトマト生産性の向上、カゴメ㈱との関係修復、これまでの不振に対する経営責任、行政責任。どれも簡単には答えが出ず、経営改善計画はあらまほしき姿を描いたもので、実現可能性は高いとは到底いえない。
 検討委の分析や考え方も問題ごとブレがあり、「雇用創出などで一定の公益性は果たしている」などと、三セクとして持続・存続を匂わせるような方向の発言もあった。
 カギを握るのはカゴメかもしれない。トマト栽培、プラント経営のノウハウを持ち、三郷ベジタブルについても相当に知り尽くしているはずだ。そのカゴメと元社長はうまくいっておらず、技術的な援助や秀品の受け入れなどギクシャクが目立ったという。安曇野市の最高幹部は、高度の政治性を発揮し、カゴメと突っ込んだ協議するべき時期ではないか。                
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by misato_tomato | 2008-02-15 10:46 | 活動報告
2007年 12月 26日

12月17日 12月議会・小林じゅん子の一般質問

 私が三郷ベジタブルについて一般質問で取り上げるのは、これで4回目となります。3月議会6月議会と続けて一般質問で取り上げたときには、「まだやるのか!」とヤジがとびましたが、その後は事の重大性が認識され、この12月定例議会では議論の焦点となっています。

 思えば1年前の12月定例議会、議長提出の諸般の報告の中に問題の決算書はありました。株式会社三郷ベジタブル第3期決算書です。業績不振というような話もきいていたので、また赤字かなと思いページをめくりました。ところが当期純利益1,900万円あまりの黒字とあり、意外な気はしましたが、すぐには問題に気がつきませんでした。市へ支払うべきトマト栽培施設使用料が1億8,000万円もの未払金になっていることを、私が知ったのは年が明けてからでした。三郷ベジタブルから説明があったのは、なんと2月下旬、3月の予算議会を目前にした頃でした。その後の経緯については皆さんご承知の通りです。

 もし、あのときの12月議会で第3期の決算について、その実態が報告されていれば、今ごろは経営改善計画も実行に移され4期目の決算もちがったものになっていたでしょう。
 議会からの指摘や市の監査にとどまらず、住民監査請求もあり、住民訴訟にまで発展しているにもかかわらず、無為に過ぎてしまった三郷ベジタブルのこの1年は致命的であり、非常に残念に思います・・・、というような前置きから質問に入りました。

1、財政援助団体等監査の結果について
 8月の監査報告で指摘された以下の2点について、その後の対応はどうなっているか。①損失補償契約について、契約書の不備や契約書そのものの不存在など早急に是正すること、について。

 これについては、私の直前に質問した丸山議員が、かなりのところまで追及してくれたので、問題の実態がいっそうハッキリしてきました。監査により是正を求められていることについて、ほとんど何も進んでいないということも分かりました。

 そこで私は以下のような質問で詰めていきました。

◆C金融機関との損失補償契約書は存在しないが、2003年3月にC金融機関より「諸経費支払い」の使途目的で6千万円借入したのは、損失補償契約なのか?

◆損失補償契約書は存在せず、一般的な借入の契約書(金銭消費貸借契約書)があるだけであるが、市は損失補償契約だと言っている。それにしては、市の損失補償の期限を過ぎたH26年1月25日が返済期限となっており、印紙も貼られておらず、不審な点の多い契約書である。この借入が損失補償契約だとする根拠は?

◆一時借入をしては長期借入の返済をしている。この一時借入はどこからいくら、どのように借入しているのか?誰がどのような立場で保証人になっているのか?

◆契約書等の不備ということでは、施設使用の賃貸借契約は17年間となっているが、三郷ベジタブルの指定管理者の指定期間は10年間であり、一致していない。そもそも指定管理の協定書も結んでいないが、どうなっているのか。

◆以上、三郷村行政の仕事ぶりを表すもの。地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。とする地方自治法2条16項にことごとく違反している。西山副市長(旧三郷村長)の見解は?

②組織体制の見直しも含めて新たな「経営改善計画」を作成すること、について。

◆生産力アップ、技術力アップ、販売網の確立、組織の見直し、の4点を重点に新たな「経営改善計画」の見直しをしているとのことだが、それ以前に、第4期決算の現状把握はどうなっているか。

◆未払金のほとんどが安曇野市に対する賃借料の未払分である。この金額の全部を、切り捨てても正味財産は増加することはない。売上高に対しての売上原価を見てみると、それぞれの売上高に対する割合は、原材料費24%、人件費40%、水道光熱費33%、棚卸資産廃棄12%。もうこれだけで売上高に対して約110%となり、売上高を10%も超えてしまう。作っても作っても赤字で、今後の再建は非常に厳しいのでは。

◆県農業開発公社から20年5月までに買取を約束している土地購入費1億7,239万円については一円の積立ても出来ていない。どうするつもりか。

◆当期の損失で2億4640万円の発生というものの、実態は前期までの決算を含め正味では3年間の損失といえる。累積では、3億1791万円の赤字、年1億円の赤字を作ってきたといっても過言ではない。2期目以降の売上の減少と伸び悩みは、単に技術的な要因ばかりではなく、当初からの計画と市場経済を無視した結果ではないのか。その点の反省は?

2、住民監査請求による勧告について
 請求人の主張を一部認め、市に対し平成19年度一般会計予算にトマト栽培施設使用料7,138万円増額補正するように勧告されたが、市としての考えは。同様に三郷ベジタブルとしての考えは。

・10月4日の意見陳述での担当部長の発言「公の施設であり、政策目的をもって整備したもの、担い手の育成、農業振興、雇用の創出、遊休荒廃農地の有効活用などの目的から作った施設。本来ならば、施設使用料は自治体が当然負担すべきものと考える」

・11月29日の定例記者会見での市長の発言「妥当な金額かどうかは疑問。検証しなおす必要がある」

・11月29日の全協での担当部長の発言「7000万円の施設使用料はベラボーな金額」

◆これらの発言は、最近になって三郷ベジタブルの経営が立ち行かなくなったために出てきたもの。そもそも、このベラボーな金額の使用料を払えるだけの収益が上がる、という当初計画に問題があったのではないか。

 以上、私が質問した事項を並べてみましたが、担当部長と副市長の答弁は責任を感じているのかいないのか、まるで他人事のような答弁と話しぶりで、「これで再建計画が進むのだろうか?」と不安は大きくなるばかりでした。

 最後に、「市長は『仮定の話はできない』と言ったが、もはや『仮定の話』ではなく、現実の話である。次の手を考えておられるはずですが・・・」という言葉で締めくくりました。
※答弁も含めて詳しい報告は後日に。
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by misato_tomato | 2007-12-26 21:44 | 活動報告